I.B.MUSEUM SaaS

クラウド型システムのメリットと仕組み

現在では政府も導入を後押しする「ASP・SaaS型システム」は、
 
クラウドコンピューティング時代を牽引する新時代の管理システム。
 
なのに、博物館には普及しない理由は、「仕様変更」にありました。
 
 
博物館のIT化が遅れている理由は「高コスト」  
現在の収蔵品管理システムは、自館向けに開発・カスタマイズ(仕様変更)されたシステムを、館内ネットワーク上で利用するスタイルが主流となっています。そのまま使える「パッケージソフトウェア」として販売されているものの、所蔵する資料(作品)も業務内容も館によって大きく異なる博物館の場合、スタンダードな機能しか持たないパッケージ製品では館独自の管理内容に対応することが極めて困難です。よって、パッケージであっても館ごとに仕様変更が必要となり、結果的に開発・カスタマイズに数百万円もの費用がかかるのが一般的となっています。
文部科学省の社会教育調査などから推計すると、全国で約5,700館を数える博物館総数に対し、数百万円規模のシステム投資が可能な館は1割前後と考えられます。それ以外の館は、紙の台帳での管理を続行したり、あるいは職員が自力で管理環境を整備しなければなりません。これが博物館のIT化を遅らせてきた原因です。
 
 
 
 
「博物館のASPSaaS」が抱えていた致命的な問題を克服 
こうした問題を解決できるのが、いわゆる「クラウドコンピューティング」です。
総務省も利用を推奨している「ASP・SaaS型システム」は、インターネットを通じて遠隔地のサーバにアクセスし、そこにインストールされたアプリケーションを利用することができるクラウド型システムです。集中管理と共同利用がベースとなっているため、手元でのサーバ管理が不要といった実務面での利点が生まれますが、最も大きな効果は導入・運用コストの大幅な削減が可能な点にあります。費用負担を利用館全体で分担できるため、まさにこれまでの博物館システムの課題を解決しているわけですが、なぜか普及は進みません。ASP・SaaS型システムを学芸現場で使うには、コストとは別の面で大きな問題があるからです。
共同利用システム内のアプリケーションは、原則として館ごとに異なる資料(作品)や業務内容に対応することができません。あらかじめ決められた仕様しか使えないならば、実質的にカスタマイズなしのパッケージシステムと何ら変わりなく、結局「館に合わせて仕様を変更できなければ使えない」という元の課題に戻ってしまうわけです。
 

 
 
問題は、システム上で管理するデータ内容を、自館の業務に即したものにできるかどうかにあります。早くからこの課題に取り組んできた当社では、独自の解決策を見出しました。それが、I.B.MUSEUM SaaS なのです。
 
 
 
 
 
 
参考:ASP・SaaS型システムに対する総務省の見解

   「地方公共団体におけるASP・SaaS導入活用ガイドライン」(平成22年4月)より抜粋

ASP・SaaSの利用者は、ASP・SaaS事業者がネットワークを介して提供するサーバのシステムや機能をサービスとして利用する。このため、ASP・SaaSの利用者は原則としてサーバなどの機器を保有する必要がない。また、ASP・SaaSの利用者はアプリケーションを購入するのではなく、ネットワーク経由で提供されるサービスを利用し、その対価を支払う。そのため、情報処理などの必要な機能を過不足なく適正な規模で利用することが可能になる。
また、ASP・SaaSは複数の利用者が同じサービスを利用するものであり、利用者あたりの利用料金の低廉化を実現することが可能になる。これに加え、ASP・SaaS事業者はサービスの提供に必要な設備を集約し、重複のない効率的な設備投資を行うことが可能であり、ASP・SaaS事業者が提供するサービスの料金は一般的に従来型のシステム構築と比べて低廉に設定されている。
ASP・SaaSの利用者は、設備やソフトウェアの調達やシステム開発などの作業が不要であり、従来型のシステム構築と比べて短期間での導入が可能であるとともに少ない作業負担でサービスの利用を終了することも可能である。よって、地方公共団体においても、まずはASP・SaaSを導入する業務の対象を限定し、導入による効果を確認しつつその対象領域を拡大していく、いわゆる「小さく始めて大きく育てる」という導入形態をとることも可能である。