当社では、MAPPSという博物館支援事業を推進しております。MAPPSとは、
Museum Archive Platform Projects
の略で、ITを軸としたさまざまなプロジェクトを内包しております。
日進月歩で技術革新が進むITですが、現在でも「紙の台帳」に頼らざるを得ない館が少なくないことを見ても分かる通り、博物館業界は比較的対応が遅れた業界と言われています。その間に社会はいっそうITへの依存を強めており、このままでは地域文化の守護という責務を果たすことに支障が出ることにさえなりかねません。
当社は、約20年にわたって収蔵品管理システムを中心とした博物館の業務システムの開発・運用を担って参りました。これまで、業界内で見聞きした情報などを製品やサービスに適宜フィードバックして参りましたが、時代が進むにつれて、よりいっそう強力なサポートが必要であると痛感するに至りました。
そこで、MAPPSにおける事業の第一弾として、2009年12月、学芸員の業務支援を目的とする学芸業務知識集約サイト『学芸員オンライン(試行版)』を開設いたしました。博物館業界関係者向けの完全無料サービスで、すでに1,000人近い学芸員の皆様にご登録いただいており、また日本博物館協会様の機関誌である『博物館研究』の原稿バックナンバーのアーカイブ化に協力させていただいております。
また、2010年11月には、当社の基幹事業である収蔵品管理システムをクラウドサービス化を実現いたしました。「I.B,MUSEUM SaaS」は、これまでは数百万円から数千万円の予算が必要とされたシステムを、月額3万円でご利用いただけるサービスです。月額料金の範囲内でインターネット上での資料公開まで可能となっており、今後、続々と最新機能を実装していく予定です。
MAPPSでは、特に厳しい運営環境に晒される中小規模の館の情報入手・管理・公開業務の支援を軸に、さまざまなサービスをご用意していく予定です。まだ始まったばかりのプロジェクトですが、微力ながら、少しでも博物館・自治体の関係ご各位のお役に立てるサービスの実現を目指して参りますので、ぜひ今後にご注目ください。