I.B.MUSEUM SaaS

おもな機能

画面のレイアウト
 
性質別に場所を固定し、「操作を体で覚える」ことを可能に。
慣れるほど、意識しなくても作業効率が上がる情報レイアウト。

 
いつも「資料カード情報」を作業の中心に
 博物館の情報管理は、資料(作品)個別のカードで行うのが主流です。情報システムを使うからと言って、日常の管理スタイルを根底から変更することは、現実的にはなかなか困難なはず。そこで、I.B.MUSEUM SaaSでは、これまでの業務習慣を踏まえた管理ができるよう、「資料カード」をシステム内で再現しました。

操作も入力も閲覧も、すべてを直感的な操作で
資料カードの分かりやすさと、デジタルデータの便利さを両立した形で活かすために、これまでの専用システム以上に見やすく理解しやすい操作画面をデザインしました。テキスト情報の入力以外は基本的にマウスのクリックだけで操作できるため、PCに慣れていない方でも戸惑うことなくお使いいただけます。

どなたでもひと目で分かる画面レイアウト
画面レイアウトにあたっては、博物館の業務の傾向を分析し、各タブやボタンの位置を決定。全体的にシンプルで、どなたでも感覚的に理解できるインターフェイスを実現しています。

分類・項目の設定・変更機能
 
国際的な標準規格と、現実のミュージアムの「日常」を考慮。
使いやすく、編集可能な管理項目設定機能を用意しました。
 

「要らない分野」は、まるごとカット
歴史、考古、美術、民族・民俗、文学、動物、昆虫、植物、地学・古生物の各分野が用意されています。これをもとに、まず自館に不要な分野を削除し、スリムな基本形を作ります。

 
内外の規格を統合した独自の標準項目体系を設計
博物館の管理項目は、国内外の専門機関などが独自に構築した規格を提唱しています。I.B.MUSEUM SaaSでは、それぞれの内容を検証し、各規格の利点を組み合わせる形でオリジナルの「標準項目体系」を設計しました。学際的な視点ではなく、博物館内の「実務」という観点から、より使いやすいと思われる形に整えてあります。

<目録的項目>
• CIDOC IGMOI (博物館資料情報のための国際標準CIDOC情報カテゴリ)
• 東京国立博物館ミュージアム資料情報構造化モデル
• CDWA(Getty財団策定美術作品記述目録・メタデータスキーマ)
• Darwin Core (GBIF(地球規模生物多様性情報機構)が推奨する自然史標本のためのメタデータスキーマ:一部の項目のみ)

<業務に関わる項目>
• SPECTRUM(ミュージアムにおける運営管理の標準化を目指しイギリスのコレクション・トラスト(旧MDA)が制定)

 
豊富な事例から「現場のための項目体系」を強化
標準規格は学術的に研究された目録体系が多いため、どうしても現場実務で必要な情報が抜けがちです。そこで、300館に及ぶカスタマイズ事例を再検証し、保存管理に必要な状態の情報や公開に必要な著作権の情報など、目録に入りきらないけれど、業務には必要な情報項目を追加しました。

 
項目設定の準備もマウス中心の直感操作で
これまでは専門のSEがカスタマイズしていた項目設定作業を、お手元で簡単に行っていただけるツール群を新たに開発しました。変更したい項目名にマウスポインタを合わせると変更用のパネルが表示され、パネル上で変更内容を入力すると実際の項目に同時に反映。項目の位置の変更は、動かしたい項目にマウスを合わせてドラッグするだけ…。多彩なサポート機能で、「自分仕様」のシステムを簡単に作り上げることができます。
データの入力/登録機能
 
システムは、情報がきちんと登録されてこそ、その力を発揮します。
登録しやすさを追求すると、こんな形になりました。
 
文字情報入力を助ける多彩なサポート機能
情報を素早く正確に入力するために、さまざまなサポート機能を装備しています。極力「手入力」を少なくすることで負担を軽減するだけでなく、誤入力や表記の揺れを防ぎます。たとえば、ユーザ側で項目を自由に編集できるメニュー選択型の入力機能や、カレンダーから選べる日付入力支援機能、さらにはMicrosoft Excelのワークシートに入力したデータの一括登録機能など、キーボードを打つ手間を減らす工夫を随所に織り込みました。

 
画像データの登録/閲覧もカンタン
画像登録は、専用画面からフォルダ内の画像を呼び出して指定するだけの簡単さ。また、資料(作品)1点あたりの登録可能枚数も無制限なので、巻物や組作品など、大量の画像を必要とする資料にも対応できます。

 
特殊文字も正確に、長い文章もそのままに
登録データの入力文字数は無制限で、各種外国語(文字)も言語通り正確に表示。文章量を気にすることなく、特殊文字も学術的に正しい形で、必要な情報を過不足なく登録することが可能です。
検索機能
 
学芸業務で情報を探す際に必要となる、複雑な検索条件。
これを簡単に扱うことが、業務のスピードアップのポイントです。

目的のデータを最短で探し当てるために
学芸業務では何らかの情報を探す場面が多いものですが、キーワード検索だけでは不便な場合があります。たとえば「2001年4月から2002年3月までに収蔵されたAさんからの寄贈資料で、作家Bにまつわる書簡」といったデータを、キーワード検索だけ探し出すことは困難です。こうした複雑な条件でも容易に探し当てることができるように、項目を組み合わせて探せる詳細検索機能を用意。また、何度も同じ検索条件を指定する手間を省くために、検索条件や結果をそのまま保存できるなど、さまざまな検索サポート機能を実装しています。

担当によって異なる「必要な情報」を自動選別
美術作品の担当者なら作家情報は必須ですが、考古資料担当にとっては「作家名」という欄は意味がありません。こうした担当分野ごとの違いに関わらず常に最適な検索結果を表示できるよう、担当者別に表示内容を設定できる機能を用意しました。

テキストと画像を駆使できる検索結果表示
また、文字だけで識別することが多い分野、画像だけでも見分けがつきやすい分野、文字と画像の両方で判断したい分野…など、それぞれの特性に合わせた適切な結果表示設定も可能とするなど、館内の職員全員に最適な業務環境を提供できるよう工夫を凝らしました。
出力機能
 

学芸員が日常的によく使うソフトNo.1は、Microsoft Excel。
そこで、I.B.MUSEUM SaaS側で連携機能を確保。

細かい作業はふだん使い慣れたソフトで
Microsoft Excel形式やテキスト形式など、日常的に使用しているアプリケーションに合わせたファイル形式での出力が可能です。必要に応じて出力する項目も指定できるので、思い通りのリストを作成して日ごろ使い慣れたソフトへと作業を引き継ぐことができます。

従来以上に操作性を強化したExcelへの出力機能
I.B.MUSEUM SaaS では、特にExcel出力の操作がこれまで以上に使いやすくなりました。目的に合ったデータ項目だけをExcelに移してまとめて情報を修正したり、一括登録機能を使って修正後のエクセルによりまとめて更新するといった、自由度の高いデータ運用が可能です。

Excelに出力したデータをさらに加工・運用
各館それぞれにカスタマイズされる従来型のシステムとは異なり、ひとつのシステムを共有して利用するクラウド型では、各館で内容が大きく異なる帳票フォームをイメージ通りに出力するのは極めて困難です。Excelで出力するときにリストの名前を付けて保存しておき、次に同じリストを出力するときにはリストを呼び出すだけにするなど、Excel出力のスピードアップ機能を充実。さらには、Excel用の帳票テンプレートやフォーマットの編集マニュアルを用意するなど、ソフトウェアの範疇を超えたサポートの実施も計画しています。
インターネット公開機能
 

日ごろの業務の延長線上で、
各館の「収蔵品検索」のページが簡単にできあがります。

館ごとに専用の公開・検索サイトを開設可能
管理システムと連携する形で、館専用の資料検索サイトをインターネット上に開設することができます。従来からお持ちのホームページに「資料検索」ボタンを付けてリンクを貼りつけていただけば、I.B.MUSEUM SaaSで生成された専用の検索ページへとジャンプしますので、利用者に違和感を抱かせることなく情報公開の充実化を図ることができます。

公開用の原稿は登録データをそのまま利用
資料検索サイトに掲載する情報は、システム内に登録した収蔵品データの一部をそのまま利用することができます。一般公開用の原稿作成をわざわざ行わなくても、システム内で簡単に作成(流用)できるので、データベースに登録したデータの必要箇所だけをそのまま「原稿」にすることができます。

デザインも公開用の項目もシステム側が用意
資料検索サイトづくりは、数十通りのデザインから自館に合うものを選び、表示するメッセージなどを入力するだけ。どんな検索条件を備え、どんな情報を公開するかといった要素も自由に選べるので、館の個性や資料の特性を反映したインターネット公開環境を構築することができます。

特定の資料を目立たせる「おすすめ資料」機能
単なる検索だけではなく、まずは自館のメインとなる資料(作品)を見てほしい ―― そんなご要望にお応えし、特定の資料をランダムに表示する機能を実装しました。表示させる資料の情報内容はシステムで選択・編集することができ、いつでも変更可能。季節や特別展のテーマに合わせて表示を変えるなど、ミュージアムらしい資料検索ページを表現できます。